なるべく神経は抜きたくない。歯の神経を守るVPT(生活歯髄療法)という選択肢
2025/08/20

こんにちは。横浜市藤が丘駅前の歯医者、マイデンタルオフィス藤が丘です。
「この歯は、神経を抜くしかないかもしれません。」
もし、患者さまが歯科医院でそう言われたとしたら、大きなショックと不安を感じることでしょう。
歯の神経を抜くことは、痛みを取り除くための有効な手段である一方、歯がもろくなり、寿命を縮めることにもつながります。
かつては、歯の内部まで細菌が到達した虫歯の場合、神経を抜く「抜髄」が一般的な治療法でした。
しかし、歯の寿命は神経の有無に大きく左右されます。
神経を抜いた歯は、水分や栄養が行き渡らなくなり、枯れ木のようにもろく、割れやすくなってしまうのです。
そこで当院が積極的に取り入れているのが、最新の歯科治療である「VPT(Vital Pulp Therapy/生活歯髄療法)」です。
VPTは、「Vital(生きている)Pulp(歯髄)」という名の通り、感染した部分だけを取り除き、健全な神経はできる限り温存することを目的とした画期的な治療法です。
このページでは、VPTがどのような治療なのか、なぜ歯の神経を残すことが大切なのか、そして当院がVPTに力を入れている理由について、詳しくご紹介します。
なぜ、歯の神経を残すことがそんなに大切なの?

「歯の神経を抜いても、痛みさえなくなればいいのでは?」
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯の神経は単に「痛みを感じる」ためだけにあるわけではありません。
歯の神経には、歯の健康を維持するために欠かせない、重要な役割がいくつもあります。
歯に水分と栄養を供給する「命綱」

歯の神経(歯髄)には、血管が通っています。この血管を通じて、歯の内部には常に水分や栄養が供給されています。
神経を抜くと、この供給が途絶えてしまい、歯は水分を失い、乾燥してしまいます。
例えるなら、神経を抜いた歯は、生きている木ではなく、枯れた木のような状態です。
見た目は変わらなくても、内部はもろく、わずかな衝撃でも割れやすくなってしまいます。
虫歯の再発を防ぐ「自衛機能」

歯の神経は、ごく初期の虫歯に対して、象牙細管(歯の内部にある小さな管)を閉鎖する「第三象牙質」を作り出すことで、細菌の侵入を防ごうとする自衛機能を持っています。
しかし、神経を抜いてしまうと、この機能は失われます。
神経がない歯は、痛みを感じないため、虫歯が再発しても気づきにくくなります。
気づいた時には、すでに手遅れで、抜歯に至るケースも少なくありません。
外的刺激から歯を守る「センサー」

歯の神経は、熱いものや冷たいもの、噛むときの圧力などを感じ取るセンサーとしての役割を果たします。
これにより、患者さまは「熱すぎるからやめよう」「強く噛みすぎているから力を抜こう」といった判断を無意識に行い、歯に過度な負担がかかるのを防いでいます。
神経がない歯は、このセンサーが働かないため、患者さまは無意識のうちに歯に大きな力を加えてしまい、歯の破折(ひび割れ)につながるリスクが高まります。
VPT(生活歯髄療法)とは?
VPT(Vital Pulp Therapy/生活歯髄療法)とは、歯の内部の神経(歯髄)が細菌に感染してしまった部分のみを慎重に除去し、健全な神経はできる限り残すという治療法です。
この治療は、虫歯が深く、歯の神経まで達してしまった場合に適用されます。
従来の「神経を抜く(抜髄)」治療との違いは、「感染している部分だけをピンポイントで治療する」点にあります。
従来の「抜髄」とVPT(生活歯髄療法)の違い
項目 | 従来の抜髄(神経を抜く治療) | VPT(生活歯髄療法) |
---|---|---|
目的 |
歯髄の炎症・感染をすべて取り除く |
健全な歯髄を温存する |
治療対象 |
感染が疑われる歯髄をすべて |
感染した歯髄のみ |
治療内容 |
歯髄を根の先まで完全に除去する |
感染した歯髄のみ除去し、MTAセメントなどで保護する |
歯への影響 |
歯がもろくなり、割れやすくなる |
歯に水分と栄養が行き渡り、強度を保てる |
治療期間 |
複数回の通院が必要な場合が多い |
比較的短期間で終了することが多い |
VPTの成功率を大きく左右する4つの要素
VPTは、すべてのケースで成功するわけではありません。
成功率を高めるためには、以下の4つの要素が非常に重要となります。
正確な診断

歯の神経の炎症が、可逆的(元に戻せる)な状態なのか、不可逆的(元に戻せない)な状態なのかを正確に診断する必要があります。
当院では、問診やレントゲンだけでなく、歯科用CTや、歯科用顕微鏡「ネクストビジョン(NEXTVISION)」を導入し、最大20倍以上に拡大した視野で、治療を行っています。
無菌的な環境
歯の神経は非常にデリケートです。
治療中に新たな細菌が侵入すると、再感染のリスクが高まります。
そのため、ラバーダム防湿(治療する歯をゴムのシートで隔離する方法)を行い、唾液や細菌の侵入を徹底的に防ぐことが不可欠です。
当院では、ラバーダム防湿に加え、クラスB滅菌機をはじめとする世界基準の滅菌対策を徹底し、使用する器具を常に清潔に保つことで、治療中の感染リスクを限りなくゼロに近づけています。
精密な治療技術
肉眼では見えないミクロな世界で、感染した部分だけを正確に取り除くには、熟練した技術と、高倍率での拡大視野が必要です。
当院の歯科医師は、マイクロスコープを用いた精密な治療に精通しており、患者さま一人ひとりの症状に合わせた最適な治療法をご提案します。
適切な覆髄材(MTAセメントなど)の使用
感染した歯髄を除去した後、健全な歯髄を保護するために「MTAセメント」などの高性能な材料を使用します。
MTAセメントは、殺菌作用や歯質を再生させる効果があり、VPTの成功率を高める上で非常に重要な役割を果たします。
包括的な治療計画と丁寧なカウンセリング

VPTは、治療後の長期的な予後も重要です。
当院では、VPT後の被せ物の選択肢や、定期的なメンテナンスの重要性についても、丁寧にご説明します。
患者さまが治療のメリット・デメリットを十分に理解し、ご納得いただいた上で、治療方針を決定していきます。
VPT(生活歯髄療法)はこんな方におすすめです
深い虫歯があるが、歯の神経を抜きたくない方
歯の痛みが気になるが、できる限り自分の歯を残したい方
歯の寿命を少しでも延ばしたいと考えている方
他院で抜髄(神経を抜く治療)を勧められたが、セカンドオピニオンを求めている方
お子さまの乳歯や永久歯に、深い虫歯ができてしまった方
(お子さまの歯は、神経が太く、治癒能力が高いため、VPTの効果が期待できます)
抜歯宣告の前に、一度ご相談ください

「神経を抜くしかない」と言われても、すぐに諦めないでください。
VPTは、患者さまの大切な歯の神経を守り、歯の寿命を延ばすための希望となる治療法です。
すべてのケースに適用できるわけではありませんが、まずは精密な診査診断によって、VPTの可能性を探ることが重要です。
マイデンタルオフィス藤が丘は、患者さまの歯の健康を生涯にわたってサポートするため、最新の設備と技術、そして何よりも「一本の歯を大切にする」という情熱を持って、日々の診療にあたっています。
もし、ご自身の歯のことでお悩みでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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